マスターの過去

 今日、行きつけの喫茶店のマスターが

閉店間際、話しかけてきて下さった。

マスターが若い頃のお話。



相当やんちゃで鳴らしていたという。

物静かなマスターだと勝手に思っていたので、凄く驚いた。

そういえば僕が小さい頃には　毎夜暴走族が国道を走り抜けていく音を聞いた。

幼いながらも、ただならぬ感じの響きと大きさに胸騒ぎがしたものだ。


疾走感。

グループ同士の戦い。

プライドを賭けた一対一のタイマンの喧嘩。


僕の経験とはかけ離れていて、遠くの国の物語を聞いているみたいだった。

だけど、きな臭いようなあのただならぬ胸騒ぎ

冒険にも通ずるような。。


店内にはもう誰も客は居なくなっていた。

マスターは静かに腰を折って挨拶し、送り出して下さった。

夜にはちょっといつもと違う事が起こる。